■成分名
炭酸リチウム
■商品名
炭酸リチウム、リーマス
■規格
100mg、200mg
■効能・効果
躁病および躁うつ病の躁状態
■用法・用量
炭酸リチウムとして、成人では通常1日400~600mgより開始し、1 日2~3回に分割経口投与する。以後3日ないし1週間毎に、1日通常1200mgまでの治療量に漸増する。
改善がみられたならば症状を観察しながら、維持量1日通常200~800mgの1~3回分割経口投与に漸減する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
■副作用
・初期の消化器症状(食欲低下や吐き気、下痢等)
・手の震え
・リチウム中毒(発熱や発汗、意識低下等)
■特徴
・1950年頃から有効性が発見された古典的な気分安定薬ですが、現在でも躁うつ病(双極性障害)の第一選択薬となっています。
双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す病気ですが、炭酸リチウムは躁状態に対する急性期治療と双極性障害の維持療法の両方において高い効果が認められています。特に躁状態に対して効果が高いですが、やや即効性に欠ける部分もあるため、興奮やイライラの強い方には統合失調症治療薬を併用することも多いです。
適応はありませんが、うつ状態に対しても効果が認められています。そのため、双極性障害のどの状態に対しても使用されるオールマイティな薬剤といえます。
またうつへの効果を活かし、うつ病治療薬だけでは効果が乏しいうつ病に対して、増強療法として併用される場合もあります。
・リチウム中毒という中毒症状を避けるため、採血をしてしっかり炭酸リチウムの血中の濃度を測定する必要があります。
効果のある濃度は0.4~1.0mEq/L、中毒域は1.5mEq/L以上と濃度域が近いため、夏場の脱水や過量服用で濃度が上昇することに注意が必要です。
炭酸リチウムは腎臓から排泄されるため、腎機能が低下している方や利尿剤を使用している方にも注意が必要です。また、ロキソニンなどの痛み止めによっても濃度が上昇することがあるため、これらの薬を使用する場合はご相談ください。(カロナールは問題ありません)
・血中の濃度が低くても効果を出していることも多く、あえて低い濃度で推移させている場合もあります。
リチウム中毒には注意が必要ですが、専門病院では定期的に採血をしてきっちり濃度を測定しているため過度に不安に思う必要はありません。
それ以上に効果のメリットがあるため、しっかり服用を継続していきましょう。