抗不安薬とは、不安およびそれに関連する心理的・身体的症状の治療に用いられる薬剤の総称です。安定剤と呼ばれたりもします。
抗不安薬は、ベンゾジアゼピン系とそれ以外に分類されます。
①ベンゾジアゼピン系抗不安薬
ベンゾジアゼピン系とは、化学構造の骨格に「ベンゾジアゼピン骨格」を持つものをいい、作用としては、脳内でGABA(ギャバ)の働きを強くすることで抑制の神経活動を活発にして不安を和らげます。GABAとは、サプリメントやチョコレートなどにも配合され、ストレス軽減や睡眠を促すと言われ販売されています。なぜこのような働きがあるかというと、GABAが抑制神経に働くためです。
鎮静作用があるため眠気や倦怠感には注意が必要です。車の運転は控えるようにしましょう。筋肉の緊張をほぐす筋弛緩作用もあるため、肩こりや緊張型頭痛にも応用されますが、ふらつきの原因にもなるため高齢者では特に転倒に注意が必要です。
また、依存や耐性にも注意が必要です。ただ、専門医療機関で処方されている場合は、きっちり医師が確認しながら処方されていますので過度に怖がる必要はありません。
以下に作用時間ごとに各薬剤をまとめます。
<短時間型>
速やかに効き、速やかに体からなくなる特徴があります。効果を実感しやすいですが、依存や耐性には注意が必要です。
・トフィソパム(グランダキシン)
・クロチアゼパム(リーゼ)
・エチゾラム(デパス)
<中間型>
即効性も期待できますが、短時間型より少し長く効く特徴があります。効果も強いです。
・アルプラゾラム(コンスタン、ソラナックス)
・ロラゼパム(ワイパックス)
・ブロマゼパム(レキソタン)
<長時間型>
比較的即効性も期待でき効果も持続します。ただ、眠気やふらつきなどの副作用が残りやすいため注意が必要です。
・クロキサゾラム(セパゾン)
・ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)
・クロナゼパム(ランドセン、リボトリール)
<超長時間型>
作用時間が非常に長く、効果も強いです。また依存を形成しにくいという特徴があります。
・ロフラゼプ(メイラックス)
②その他
・タンドスピロン(セディール)
抗不安薬のカテゴリーではありませんが、鎮静作用のある薬剤は抗不安薬の代わりに用いられることも多いです。
・レボメプロマジン(レボトミン、ヒルナミン)
・ペロスピロン(ルーラン)
・ブレクスピプラゾール(レキサルティ)
・クロルプロマジン(コントミン)
・クエチアピン(セロクエル)
- 投稿タグ
- 不安