■成分名

グアンファシン

■商品名

インチュニブ

■規格

錠剤:1mg、3mg 

■用法・用量

<18歳未満の患者>
通常、体重50kg未満の場合は1日1mg、体重50kg以上の場合は1日2mgより投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、1日2~6mgの維持用量まで増量する。

<18歳以上の患者>

通常、1日2mgから投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、1日4~6mgの維持用量まで増量する。

なお、症状により適宜増減するが、1日用量は6mgを超えないこととし、いずれも1日1回経口投与すること。

■効能・効果

注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

■副作用

・眠気

・血圧低下、徐脈

・頭痛

■特徴

・ADHDとは、発達障害の一種で多動性や衝動性、集中力の欠如などの症状を呈するものをいいます。

ADHDの原因は解明されていませんが、脳内(特に前頭葉)の情報伝達に異常があると考えられています。特に脳内の神経伝達物質であるドパミンやノルアドレナリンが不足することでこれらの症状が現れるのではないかと考えられています。

そのため、外から入ってきた情報を脳がうまく取り込んだり処理をしたりするのが難しく、自分の注意や行動をコントロールできなくなると考えられています。そして「落ち着きがない」「注意が長続きしない」「衝動的に行動してしまう」といった症状として現れます。

・治療薬としては最初にコンサータが発売され、その次にアトモキセチン、3番目にインチュニブが発売されました。

コンサータとアトモキセチンは、ドパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の濃度を増やすことで症状を改善します。

これに対してインチュニブは、神経伝達物質を受け取る側の量を増やすことで作用を増強し症状を改善します。これにより多くの情報を伝達できるようになり、覚えられる情報の量や、その持続力も高まります。その結果、多動、不注意、衝動性といった症状の改善に繋がると考えられます。

先の2剤とは作用機序が異なるため、ADHD治療の選択肢の幅が広がりました。

・特徴としては、効果にある程度即効性があり(早ければ2週間程)、また鎮静作用があります。そのため、多動性や衝動性に特に効果があるといわれています。

・副作用としては、鎮静作用があるため眠気が最も多いです。また、インチュニブの成分であるグアンファシンの速放錠は、かつて国内で高血圧治療薬として販売されていました(今は販売中止となっています)。そのため、副作用として血圧低下もありますので、開始時や増量時には血圧測定をすることが望ましいです。

午前中の服用で眠気や血圧低下によりしんどい場合は、寝る前などの服用も可能です。主治医に相談してください。