■成分名

パリペリドン徐放錠

■商品名

インヴェガ

■規格

錠剤:3mg、6mg、9mg

■効能・効果

統合失調症

■用法・用量

通常、成人にはパリペリドンとして6mgを1日1回朝食後に経口投与する。なお、年齢、症状により1日12mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は5日間以上の間隔をあけて1日量として3mgずつ行うこと。

■副作用

・リスペリドンと比べると、鎮静作用は弱く錐体外路症状も少ないですが全くないわけではないので注意は必要です。

その他の副作用はリスペリドンと同様となっています。

■特徴

・パリペリドンは、以前から発売されていたリスペリドンの代謝産物を薬にしたものです。リスペリドンは体内に吸収されると、肝臓でパリペリドンへと代謝(変換)されて効果を発揮します。つまり、インヴェガという薬は初めから効果が出る状態となっています。リスペリドンと作用の仕方にかわりはありませんが、パリペリドンにすることでいくつかの利点があります。

①リスペリドンは肝臓でパリペリドンへと変換されますが、この過程は個人差があり効き方に差が出ることがありました。その点、パリペリドンは初めから変換された状態なので、効き方に個人差が生じにくいというメリットがあります。

②リスペリドンは効果が持続する時間が短いため1日2回で使用することが多いですが、パリペリドンは徐放性製剤となっており体内で徐々に溶けることで1日1回の服用が可能となっています。徐々に溶けだすことで、体内の濃度変化が少なくなり効果が安定しやすく、また副作用の軽減にもつながります

このように、リスペリドンの欠点を大幅に改良した薬ですが、即効性はないため頓服使用には向いておらず、またリスペリドンより鎮静作用は若干弱い印象もあるため、使い分けて処方されています。

・空腹の服用で効果が下がる可能性があるため食後服用となっています。また、腸から徐々に吸収されるため、腸にとどまる時間を長く確保する必要があり朝食後の設定となっています。

・徐放製剤より噛んだり、分割してしまうと急激に体内濃度が上がってしまうため注意が必要です。

・中等度~重度の腎機能障害のある方には使用できません。