■成分名

クロルプロマジン

■商品名

クロルプロマジン、コントミン

■規格

糖衣錠:12.5mg、25mg、50mg、100mg  細粒:10%(細粒のみウインタミンという商品名)

■効能・効果

・統合失調症
・躁病
・神経症における不安、緊張、抑うつ

・催眠、鎮静、鎮痛剤の効力増強

・嘔吐、悪心
・吃逆(しゃっくり)
・破傷風に伴う痙攣
・麻酔前投薬

■用法・用量

クロルプロマジンとして、通常成人1日30~100mgを分割経口投与する。精神科領域において用いる場合には、通常1日50~450mgを分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

■副作用

・鎮静作用が強いため眠気には注意が必要です

・口喝、便秘

・錐体外路症状

■特徴

・1952年にフランスで開発された世界で初めての統合失調症治療薬です。この薬から統合失調症治療薬の歴史が始まりました。

クロルプロマジンのような歴史の古い統合失調症治療薬を「第一世代(定型)抗精神病薬」と呼んでいます。定型抗精神病薬は、総じて幻聴や幻覚などの陽性症状に効果が強いですが、反対に感情の低下や自閉などの陰性症状には弱いことが多いです。副作用として錐体外路症状が出やすいという特徴もあります。

また、1990年代以降に発売された統合失調症治療薬を「第二世代(非定型)抗精神病薬」と呼んでいます。

非定型抗精神病薬の特徴は、陽性症状にも効果がありますが、陰性症状にも効果を示し副作用である錐体外路症状が緩和されている点です。そのため、現在では統合失調症治療薬の第一選択薬となっています。

・クロルプロマジンは、70年以上の歴史がある薬ですが、現在でも処方が多いです。

それは、鎮静作用が強い特徴を活かして統合失調症以外に躁状態、せん妄、不安緊張、不眠など様々な場面に使用されているからです。睡眠剤でも不眠が改善されない場合などにクロルプロマジンが有効な場合もあり、特に統合失調症の方の不眠には有効な場合があります。

ただ、陽性症状への効果はマイルドかつ副作用である錐体外路症状も多いことから、統合失調症への使用ではなく、低用量で鎮静を目的とした処方が多い印象です。