■成分名
ナルメフェン
■商品名
セリンクロ
■規格
10mg
■効能・効果
アルコール依存症患者における飲酒量の低減
■用法・用量
通常、成人にはナルメフェンとして1回10mgを飲酒の1~2時間前に経口投与する。ただし、1日1回までとする。
なお、症状により適宜増量することができるが、1日量は20mgを超えないこと。
■副作用
吐き気、浮動性めまい、眠気
■特徴
・これまでのアルコール依存症の治療薬は、断酒を目的としたもの(嫌酒薬と断酒補助薬に大別されます)でした。しかし、すべての方が断酒に成功できるわけではないため、まずは飲酒量を減らすことを目的として2019年3月に発売されたのが、ナルメフェンとなります。これにより、治療への心理的ハードルが下がることが期待されています。
飲酒量の減少という作用の為、効果が弱いイメージをもたれる方もいますが1カ月の飲酒量と飲酒日数を有意に減少させ、その効果が48週にわたって続くとされています。
・アルコールを飲むと脳内にエンドルフィンなどの神経伝達物質が分泌され、これらにより多幸感などがうまれ依存を形成すると考えられています。ナルメフェンは、これらの神経伝達物質が作用する受容体(μオピオイド受容体等)をブロックすることで飲酒の欲求を軽減し飲酒量を減らすことができます。
そのため、このμオピオイド受容体に作用するオピオイド系鎮痛薬(モルヒネやトラムセット配合薬等)との併用は原則禁忌となっています。
・習慣的に多量飲酒が認められる方に使用しますが、アルコールの離脱症状(幻覚、けいれん等)を起こしている人には用いることができないため、そうした離脱症状への治療が終了してから使用します。
・服用方法は、飲酒する1~2時間前に頓用として用いることで飲酒量を減らす効果が期待できます。服薬せずに飲酒し始めた場合には、気が付いた時点で直ちに服薬してください。ただし、飲酒終了後には服薬しないでください。