■成分名
パロキセチン
■商品名
パロキセチン、パキシル
※先発医薬品であるパキシルは発売中止予定
■規格
錠剤:5mg、10mg、20mg CR錠:6.25mg、12.5mg、25mg
OD錠(口腔内崩壊錠):5mg、10mg、20mg ※OD錠は後発医薬品(ジェネリック)のみ
■効能・効果
・うつ病、うつ状態
・パニック障害
・強迫性障害
・社会不安障害
・外傷後ストレス障害
■用法・用量
・うつ病、うつ状態
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして20~40mgを経口投与する。投与は1回10~20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。
・パニック障害
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして30mgを経口投与する。投与は1回10mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日30mgを超えない範囲で適宜増減する。
・強迫性障害
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1回20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日50mgを超えない範囲で適宜増減する。
・社会不安障害
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして20mgを経口投与する。投与は1回10mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。
・外傷後ストレス障害
通常、成人には1日1回夕食後、パロキセチンとして20mgを経口投与する。投与は1回10~20mgより開始し、原則として1週ごとに10mg/日ずつ増量する。なお、症状により1日40mgを超えない範囲で適宜増減する。
■副作用
・服用初期に起こりやすい吐き気などの消化器症状(2週間~1か月で治まることが多いです)
・性機能障害(性欲減退や勃起障害など)
・離脱症状
■特徴
・うつ病は、脳内のセロトニンやノルアドレナリンという物質が減ることで不安や落ち込み、意欲低下等が出てくるといわれています。
パロキセチンは、フルボキサミンに続いて2番目に国内で発売された選択的にセロトニンを増やすSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)となります。
・うつ病以外に様々な適応を持ち、効果も強く切れ味がいいと実感される方が多いため、SSRIの中でも最もポピュラーで名前を知っている方も多いかもしれません。用量を増やしていくと、基本はそれに比例して体の薬物濃度が上がり効果を増すのですが、パロキセチンは用量を増やすと薬物濃度が急上昇するタイミングがあります。そのため、切れ味がいいと感じるのだと思われます。
しかし、反対に減量していくと急激に薬物濃度が下がるタイミングがあるということですので、それが離脱症状につながっていきます。知覚異常や不眠、倦怠感など様々な症状が起こる可能性があるため、自己中断はもちろんのこと、減量する際にも医師の指示に従って徐々に減量する必要があります。
・パロキセチンは、普通錠以外にもCR錠(放出制御製剤)という徐々に体内で溶けだす剤型もあります。徐々に溶けることで、服用初期に起こりやすい吐き気などの消化器症状を抑えるメリットがあります。
ちなみに、パキシルCR錠は、うつ病・うつ状態にしか適応がありません。また、CR錠と普通錠のmg数が違っていますが、実はパキシル錠10mgとパキシルCR錠12.5mgは等価となっています。CR錠は「パロキセチンの用量×1.25」と換算します。これは、CR錠が徐々に溶けるように設計されているため、体内での代謝を受けやすくなったためです。