■成分名
プラミペキソール
■商品名
プラミペキソール、ビ・シフロール
■規格
0.125mg、0.5mg
■効能・効果
・パーキンソン病
・中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
■用法・用量
・パーキンソン病
通常、成人にはプラミペキソールとして1日量0.25mgからはじめ、2週目に1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5~4.5mg)を定める。1日量がプラミペキソールとして1.5mg未満の場合は2回に分割して朝夕食後に、1.5mg以上の場合は3回に分割して毎食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減ができるが、1日量は4.5mgを超えないこと。
・特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
通常、成人にはプラミペキソールとして0.25mgを1日1回就寝2~3時間前に経口投与する。投与は1日0.125mgより開始し、症状に応じて1日0.75mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこと。
■副作用
・吐き気や食欲低下、下肢のむくみ
・眠気、特に突発性睡眠発作(眠気の前触れもなく突然眠り込んでしまう)に注意が必要
■特徴
<パーキンソン病>
・パーキンソン病は、脳内のドパミン神経の働きが悪くなることで発症するといわれています。プラミペキソールは、ドパミン受容体に働きドパミンと同じように働くことで症状を緩和する薬(ドパミン受容体刺激薬といいます)となります。
パーキンソン病治療薬の基本は、ドパミンを補充するメネシットなどのレボドパ製剤ですが、65歳未満の発症で運動合併症※のリスクが高い場合などには、ドパミン受容体刺激薬などを初期から開始します。ドパミン受容体刺激薬は、レボドパ製剤に比べて効果は弱いですが効果時間は非常に長いため、後述するwearing off現象が出にくいという特徴があります。
wearing off現象は、年齢の若い方で出現しやすい傾向のためドパミン受容体刺激薬が推奨されています。
※運動合併症とはwearing off現象やジスキネジア等をさします。
①wearing off現象(徐々に効果が減弱し服用間隔を短くしないと症状が悪化する現象)
②ジスキネジア(薬が効きすぎて意思に反して手足が勝手に動く現象)
・パーキンソン病では、症状の日内変動に合わせて服用回数が多くなる傾向にあります。そのため、服用回数をできるだけ減らした製剤が求められますが、ビ・シフロールを徐放化して1日1回の服用を可能にしたミラペックスLA錠というのも発売されています。
<中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)>
・レストレスレッグス症候群とは、一般的にむずむず脚症候群ともいわれています。手足(特に足)に不快な感覚が現れ、足を動かしたくなる欲求が生じることで寝つきが悪くなる、夜中に目が覚めるといった睡眠障害がおこり日常生活に支障をきたす病気です。
脳内のドパミン神経の働きが悪くなることで発症するといわれているため、ドパミン受容体刺激薬であるプラミペキソールが2010年に保険適応が認められました。
・服用後、薬の体内濃度が最大になるまでに約2時間かかるため、寝る2~3時間前に服用することで効果を実感することができます。
・副作用として、強い眠気や突発的に眠ってしまうことがあるので、服用中には自動車の運転や機械の操作、高所での作業など、危険を伴うことはしないように注意が必要です。また、長期服用で夜間の症状発現が2時間以上早まったり症状の増悪(オーグメンテーションといいます)がある場合は、主治医に相談して下さい。